建築家 商品

建築家とは、自身の美学や論理的分析にもとづいて建築物を設計し、実現に必要な知識や折衝能力・監督能力を有する建築士のことです。
主に建築物の設計・意匠を考案し、その実現のために施工を統括・指揮していきます。建築士と建築家の違いは日本ではあいまいな部分が多いのですが、
自ら設計を行い、外観に優れた作家性の強い建築物をデザインする人が建築家と呼ばれる傾向にあります。これは、一級建築士の資格を有している人でも自ら設計に携わる人はあまりおらず、
あくまでも「建築家」という名称は通称にとどまっているためです。また、建築関連の賞の受賞者や、有名な建造物の設計者、日本建築教会の会員なども、建築家と呼ばれます。

強かなたくましさ
日本を代表する建築家、安藤忠雄の自伝。素晴らしい本です。ひとつごとを極めた人間の素晴らしさを、存分に感じることができます。

本書で取り上げられているテーマは主に三つに分類できると思います。ひとつは、著者が携わってきた様々な建築についての記述。次に、建築・建築家についての著者の考え。そして最後に、著者が自らの経験にもとづいて語る人生論。

最初の二つについても、多くの学びがあり、アートが好きな僕の心を楽しませてくれました。最近こういった感性を磨く機会がドラムくらいしかなかったので、貴重な本を読む機会に感謝しています。

3つほど、特に感じることが多かった箇所を引用すると

「問題はこの場所で生活を営むのに本当に必要なものは何なのか、一体住まうとはどういうことなのかという思想の問題だった。それに対し、私は自然の一部としてある生活こそが住まいの本質なのだという答えを出した。限られたスペースであったからこそ、その厳しさもやさしさも含めた自然の変化を最大限獲得できる事を第一に考え、無難な便利さを犠牲にした。(P75)」

「だが、そうして迎合していけば、いつか本質を見失ってしまう。そんな社会とのズレに矛盾を感じながら、それに呑み込まれないよう踏ん張りつつ、家づくりを続けた。(P96)」

「経験を積むうちにはっきりしたのは、結局、一番大切なのは、現場で働く人間の”気持ち”だということだった。(P156)」


とは言うものの、僕の心を強く揺さぶったのは、大学にも行かず、さまざまな逆境に直面しながらも、真摯に自分を取り囲む状況に対峙し、それと闘ってきた著者の人間としての逞しさです。多くの苦しい環境にある人々に、最終章の以下の言葉は、非常に力強く響くのではないでしょうか。


「独学で建築家になったという私の経歴を聞いて、華やかなサクセスストーリーを期待する人がいるが、それは全くの誤解である。閉鎖的、保守的な日本の社会の中で、何の後ろ盾もなく、ひとり建築家を目指したのだから、順風満帆に事が運ぶわけはない。とにかく最初から思うようにいかないことばかり、何か仕掛けても、大抵は失敗に終わった。
 それでも残りわずかな可能性にかけて、ひたすら影の中を歩き、一つ掴まえたら、またその次を目指して歩き出し、―そうして、小さな希望の光をつないで、必死に生きてきた人生だった。いつも逆境の中にいて、それをいかに乗り越えていくか、というところに活路を見出してきた。

 だから、仮に私のキャリアの中に何かを見つけるとしても、それはすぐれた芸術的資質といったものではない。あるとすれば、それは、厳しい現実に直面しても、決してあきらめずに、強かに生き抜こうとする、生来のしぶとさなのだと思う。

 人生に”光”を求めるのなら、まず目の前の苦しい現実という”影”をしっかり見据え、それを乗り越えるべく、勇気をもって進んでいくことだ。
 情報化が進み、高度に管理された現代の社会状況の中で、人々は、「絶えず光の当たる場所にいなければならない」という強迫観念に縛られているように見える。
 大人の身勝手のせいで、幼いころから、物事の影の部分には目を瞑り、光ばかりを見るよう教えられてきた子供たちは、外の現実に触れ、影に入ったと感じた途端、すべてをあきらめ、投げ出してしまう。そんな心の弱い子供たちの悲惨な状況を伝えるニュースが、近頃はとみに目立つ。
 何を人生の幸福と考えるか、考えは人それぞれでいいだろう。
 私は、人間にとって本当の幸せは、光の下にいることではないと思う。その光を遠く見据えて、それに向かって懸命に走っている、無我夢中の時間の中にこそ、人生の充実があると思う。

 光と影。それが、40年間建築の世界で生きてきて、その体験から学んだ私なりの人生観である。」
自伝というよりも“闘争記”。
自伝というと、生い立ちから順を追って語っていく
というイメージがありましたが、
本書は建築家になる前のことは全12章のうちの1章を割いたのみで、
実質的には安藤氏が自身の手掛けた作品について語った
建築論といった趣です。

その建築論が半端じゃありません。
ゲリラという姿勢を貫き、行政やクライアントを含む“社会”と
闘い続ける姿には感動を覚えます。
むしろ“闘争記”と言った方が適切かもしれません。

ブックデザインも素晴らしいです。
何と言ってもアラーキーの撮った表紙の写真が
強烈なインパクトを放っています。
書店で見かけたとき、安藤氏の眼差しから目が離せず、
思わず手に取ってしまいました。
中には多数の図版が挿入されており、
イメージを含ませながら読み進むことができます。
版型も一般の規格と少し変わっており、
安藤氏の姿勢を象徴しているかのよう。
学歴など関係ない
正に安藤忠雄の自叙伝である。

若い頃に世界を放浪したとのこと。この経験も安藤氏の視野が日本に収まらない一つの理由であろう。

この本は、多くの安藤氏設計の建築物の写真が載せられている。

大変美しく、門外漢の私でも感動する。

芸術に学歴は関係ない。

そう感じさせてくれた本だ。
建築家のバイタリティーに圧倒される
 安藤忠雄の建築はコンクリートの幾何学的な造形が特徴的な端正な作品が多いので、建築家自身も知的でクールな人なのかと思いきや、この本を読んで、相当骨のあるというか、反骨精神の固まりで、アクの強い人だということが分かった。

 普通の発想の逆の方向を敢えて進むのだけど、単なる偏屈に終わらずにその奇抜なアイデアを周りの人を巻き込んで実現していくパワーがすごいと感じた。六甲山の麓の造成地に集合住宅を作りたいという依頼を最初は受けたのに、造成地の背後にある斜度60度の崖に気をひかれてそこに張りつくような〈六甲の集合住宅〉を造ってしまったり、気候の良い瀬戸内海の島に美術館を作ったのにその美術館が地下に埋まった〈地中美術館〉だったり。

 そもそも、「都市に抗う」とか、「自然と一体化する」とかいう設計思想を打ち出しながらも人工物の極み、自然破壊の象徴のようなコンクリートを頑なに使い続けているあたりも、ある意味反逆精神の表れである気がする。
「コンクリートの成否は、人間関係の確かさにかかっていた」
taiyaki#026

表紙の安藤さんの眼光の鋭さに圧倒され、思わず書店で買ってしまいました。
独学で建築を学んで建築家として大成するまでは、並大抵のことではなかったはず。
自ら決めた道を進み、妥協を許さないこだわり、恐ろしいまでの行動力に圧倒されました。
怖い感じがしたけど勇気とパワーをもらえた気がしました。
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